子会社譲渡
M&Aが常識化した時代。
子会社譲渡・譲受のニーズは枯渇しない
バブル崩壊以降、日本企業再生のキーワードとして1990年代後半くらいから「選択と集中」による事業の再構築を求められる企業が増加してきました。
それ以前、特に大企業は株式持ち合いをベースに巨大なグループを形成し様々な事業分野を抱えていました。しかし、経営資源の適正配分、資本効率化等の観点からはデメリットが多かったため、長引く不況を機にグループ会社を整理し、持ち合い解消をし、経営のスリム化を図ってきた流れがあります。その結果、日本経済全体を見ると、アベノミクス以降、現在も続く好調な企業業績の回復がもたらされてきました。
M&Aが、日本社会に本格的に定着してきたのもこの頃からです。企業は永続し雇用は終身制という戦後以降の社会モデルが転換し、企業が売買されることが常識となった新たな時代に入った、と言えます。
旺盛な子会社の売買ニーズ
現在、子会社を譲渡したいというニーズも、それらを譲受したいニーズも、いずれも非常に旺盛です。売り手・買い手双方の主なニーズは以下の通りです。
- 売り手サイド
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- - ノンコア事業を譲渡したい場合
- - 財務体質を改善したい場合
- - 組織再編を円滑に進めたい場合
- 買い手サイド
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- - 自社の本業を拡大したい場合、新規事業を立ち上げたい場合
- - 投資先を模索したい場合
- - 組織再編を円滑に進めたい場合
当社では、幅広い金融ソリューションを強みとし、お客様のさまざまな経営課題の解決にお役に立つべくファイナンスメニューを充実させ、適切にご支援いたします。特に大手企業との関係により、多くの譲渡候補をアレンジできるのが当社の強みです。また、国内のみならず、海外企業とのマッチングも可能です。
なお、親会社が持っている子会社の株式を売る株式譲渡に比べ、企業の一部門や事業の一部だけを譲渡する事業譲渡は、税制面、株主総会の特別決議の必要性、価格面などで大きく条件が異なります。
売り主が気にすべき3つのポイント
子会社の譲渡売却を行う場合、売り主としてはどのようなことを心がければ良いでしょうか。
- 適切なアドバイザーを選定していますか?
- アドバイザーを価格だけで判断しないようにしましょう。一口でM&Aアドバイザーと言っても、できることが異なることもあります。また、仲介ではなく片側フィナンシャル・アドバイザーを選択し、可能な限り相対ではなく、入札又は入札近似形式を選択しましょう。
- 戦略的に買い手候補企業を検討していますか?
- 対象会社について事前調査・準備をしておくべきなのは当然でしょう。
更に、例えば、ストラテジックバイヤーに売る、ファイナンシャルバイヤーを買い手候補企業に含める、シナジーに関わらず、未上場の買収意欲旺盛な企業を買い手候補企業に含める、潜在買い主とのシナジーや可能性を売主が決めつけないといった、幅広な検討を行うべきでしょう。
- 譲渡価格は適切ですか?
- まずは株式価値分析を参考にすることになりますが、株式価値分析に過度に依存せず、市場評価を確認することです。可能であれば同時期における複数以上の買い手候補企業の評価を参考にすることが望ましいです。仮に買い手候補から手が上がらない場合は、その事実自体が市場評価であると、冷静に受け止めることも必要です。