M&Aコラム

今求められる資本コスト経営と開示の進化とは? ― 東証要請から見える企業価値向上への道筋(FAQ編)

 前回『今求められる資本コスト経営と開示の進化とは? ― 東証要請から見える企業価値向上への道筋」』のコラムを掲載いたしました。今回は、「資本コストを意識した経営」についてご理解をより深めていただくために清水先生に質問のご回答をいただいております。

Q1: 「資本コストを意識した経営」とは、ひと言でいうと何ですか。

 A:株主や債権者が求める期待リターン(資本コスト)を上回る成果を継続し、企業価値(株価)につなげる経営です。東証要請以降は、"開示するか"より"開示をアップデートして質を高めるか"が問われる局面に移っています。

Q2:東証の「資本コストや株価を意識した経営」の要請は義務ですか?未開示だと罰則はありますか。

 A:形式は"要請"(任意開示ベース)で、直ちに法令の罰則があるわけではありません。一方で、対応状況は**「開示企業一覧表」として継続公表され、投資家から比較されやすい設計です。

Q3:なぜ最近「開示の質」が強く問われるのですか。

 A:開示率が上がり"出す/出さない"の差が縮まったため、次は投資家が納得できる因果(課題→打ち手→KPI→企業価値)が説明できているかが差別化要因になっています。東証も投資家目線のポイント・事例を整備しています。

Q4:「投資家から見て弱い開示(よくある失敗)」は何ですか。

 A:代表例は、①取組みを"列挙するだけ"、②定量やKPIの根拠が薄い、③施策が企業価値にどう効くかの"経路"が見えない、です。東証資料でも"投資家目線とのギャップ"が整理されています。

Q5 : 初回開示の場合にはどのような項目について記載する必要がありますか。

A:現状分析:資本コスト/資本収益性(ROE・ROIC等)/市場評価(PBR等)
 改善計画:目標(KPI)と打ち手(事業・投資・資本政策)
 対話と更新:投資家との対話方針、アップデートの頻度・内容

Q6:NECキャピタルソリューションが、上場会社に「当該会社の社内で資本コスト経営を根付かせるための体制・プロセスづくりの支援」をいただくことは可能でしょうか。

 A:はい、可能です。当社は上場会社におけるM&Aを支援のみならず、企業価値向上を目的とした支援を志向しております。まずは、簡易的な現状分析からサポートさせていただき、ディスカッションの上、お客様のニーズに沿ったご提案をいたします。

清水公認会計士事務所

代表 公認会計士・税理士・不動産鑑定士

清水 久員

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